私家版『このマンガがすごい!2010』


個人的に2009年に衝撃を受けたマンガ作品を挙げていこうと思います。


ただオトコ編とオンナ編のカテゴライズが良く分からないので(雑誌で分けてるのかな?)

特に分けずに行きます。だいたい半々くらいにはなるはず。

順位なんてのもあまり意味ないのでランダムで。

対象は本家に合わせて2009年1月から12月までに単行本が発売された作品。



ではさっそく。


弱虫ペダル

弱虫ペダル 9 (少年チャンピオン・コミックス)

弱虫ペダル 9 (少年チャンピオン・コミックス)


今年の熱血少年ものの筆頭。

合宿編からインターハイ編への盛り上がりは半端じゃない。

現在も『週刊少年チャンピオン』本誌でインターハイでの熱い戦いが展開されています。


自転車競技のマンガってあまり多くないと思いますけど、読むと当たりが多いです。

スポーツものが好きな方にはおススメです。


主人公は、ちょっともろくて、どこか頼りないんですけど、愚直で熱いんです!

彼は必死にペダルを回します。他にはなんら秀でた長所や経験値はなく、ただひたすら回すのみ。

でもそれが熱い!

その勢いがマンガを引っ張り、読み手を引っ張り、ドキドキさせてくれるとても素直な少年マンガです。



ヴィンランド・サガ

ヴィンランド・サガ(8) (アフタヌーンKC)

ヴィンランド・サガ(8) (アフタヌーンKC)


とにかく世界観と絵の魅力で見せてくる作品。その描き込み具合には毎度驚かされます。

そりゃあ週刊連載ムリですよ。


ただ今回はあまりにも驚きました。

8巻にあったあるサブタイトル「END OF THE PROLOGUE」


マジですか幸村先生ェ Σ(・∀・;)


あれほど緻密に、濃厚に描かれたヴァイキングの物語が、まさかまだ序章でしかなかったなんて・・・

凄いです。幸村先生半端ない。

はたして終わりはいつになるのか見当もつかない。

先が気になってしかたありません。



月光条例

月光条例 6 (少年サンデーコミックス)

月光条例 6 (少年サンデーコミックス)


今一つ入り込めないでいたこの作品なんですが、6巻の赤ずきん編」で一気にきました。

もうこの話だけで、ここの衝撃だけですごいと思ってしまいました。


藤田先生はやっぱり凄い!!

藤田先生は本当に胸にグッとくる描写をマンガのなかに描きます。

この力のある絵はなかなか見ることはできないと思います。


藤田先生のマンガって、サンデー本誌だと見づらく感じてしまうのは私だけでしょうか。

1ページ使った「笑顔」とかは最高なんですけど。


からくりサーカス』もそうだったんですけど、本誌だと見づらく感じたものが単行本ではしっくりきます。

なんというか、描写がもう自分の視覚に入りきらないような感じ。とても処理しきれない。

他にこういう感覚を感じるマンガは『ジョジョ』くらいでしたね。


ただ正直『月光条例』は短編むきの設定な気がします。

長編ともなると、物語を動かす核みたいなものがありますけど、それがなかなか見えてこない。

これから大きな広がりを持つんでしょうか。


まあ『からくりサーカス』も序盤ではあれほどのストーリーになるとは想像もつかなかったので、

まだどのように進んでいくかはわからないですね。



『かぶく者』

かぶく者(6) (モーニング KC)

かぶく者(6) (モーニング KC)


モーニングで隔週連載している歌舞伎を題材にしたマンガです。

とにかく絵の迫力が凄いです。四谷怪談の描写も鬼気迫るものがありました。

題材的にもあまり一般受けしそうにないのなかなか薦めることができないのですが、

この迫力は一見の価値ありです。


舞台とか好きなので個人的には今年だいぶ楽しませてもらいました。


歌舞伎の所作や見得には、動きが凝縮されたような、カッコよさや美しさがあります。

このマンガの描写はその一端を見せてくれていると思います。



潔く柔く

潔く柔く 10 (マーガレットコミックス)

潔く柔く 10 (マーガレットコミックス)


カンナ編の盛り上がりがすさまじい!

最終章に来て全てが集約してきている感じがします。

「何 この同窓会状態」

読者もそう思ってしまう。


そしてたくさんの人とのつながりのなかで、描かれる心理描写がまたいいです。

表情、言葉、背景や行間の表現力。そういったものが合わさってこちらの心をドキッとさせます。

マンガならではですね。この表現は。


多くの登場人物が恋愛関係にありますけど、「マヤ、朝美、カンナ」この三人の描かれ方は違うなあと感じます。

相手にすごく引っ張り上げられるような、そんな描き方ですね。


カンナがどうなるのか、それでこのマンガは一気に終着点へと向かうのでしょう。

この物語の中心にある「7月31日」は今後カンナにとってどのようなものになっていくのか。


でもここまできてしまうと、カンナが普通にハルタ以外の人を好きになってしまったらなんか嫌ですね。

マンガを通して見事にハルタの呪縛にかかってます。

本当に読み手を入り込ませる作品だと思います。



ちはやふる

ちはやふる (7) (BE LOVE KC)

ちはやふる (7) (BE LOVE KC)


今年度のオンナ編第1位の作品。

個人的には去年の1〜3巻のほうが熱量は高かったですね。


ただ勢いは全く落ちないです。というか、今次の巻がもっとも気になる作品。


かるた競技という珍しい題材ですけど、この作品は絶対に一般受けするだろうと思います。

幅広い層に読んでほしい作品です!


でもこのマンガって少女マンガなんでしょうか?

描写的には少女マンガなんですけど、今のところめちゃめちゃスポーツものだと思います。熱血系です。



flat

flat 2 (BLADE COMICS)

flat 2 (BLADE COMICS)


秋君のかわいさはちょっと異常。非常事態。

赤ちゃんと僕』の実を思いだしてしまいました。

ただ事ではない、このかわいさは。

最近ではアニメ蟲師15話「春と嘯く」に出てくる弟のミハル以来の衝撃!!!


あまり周りの人に言い過ぎるとショタ認定されるだけなのでつらい…

だけどあえて言えばショタ必読の作品。


少女ものはあまりアニメ化望まないんですけど、これはアニメ化したら歓喜します。


漠然とですけど、『夏目友人帳』に似ているかなと感じました。

要所に相手をわかりたい。心を通わせたい。といった描写が見えるところでそう感じたんでしょうかね。


flat』でいえばそれは「小さい子供」で、『夏目』なら「妖怪」が中心軸になるわけです。

最近の『夏目』では、それが学園での対人関係としても描かれるようになってきたので、

その辺りの雰囲気が似ている気がしたのかなあ…



以上の作品が今年度「すごい!」と感じたマンガです。


「面白い作品」というのは結構その時々で変化したりするため基準としてなかなか難しいので、「衝撃度」を基準にして選びました。


本家『このマンガがすごい!2010』のオンナ編とは全部被ってますね。

少女マンガの雑誌は『別冊マーガレット』と『Cookie』しか読んでなかったのでこんなものです。

白泉社なんかは見る機会がありませんでした。


ただ『別マ』と『Cookie』もバイト先で発注してたのが止められてしまったので、11月号までしか読んでないです。

休憩中に読むのが楽しみだったのに…(´・ω・`)


君に届けは本誌連載分だったらここに入れてました。11月号はやばかったです。

そして続きが気になります。ここでスパッと終わるのもありな気もします。


読んでいる雑誌のなかで今年一番楽しかったのは、『週刊ヤングジャンプ』です。次が『週刊モーニング』。

この二つが読むマンガ多いです。特に『ヤンジャン』は『キングダム』嘘喰いハチワンダイバーといった

毎週続きが気になる作品が多かったですね。




最後に番外編


アオイホノオよつばと


王道ではない、つよい感動をうけるというわけでもない。

でもこの二つは、ベクトルは全然違いますけど、本当に読んでいて楽しくなる作品。

こういう作品が読めるのは幸せです。ありがたいです。


マンガに限らないですけど、エンターテイメントにオールインワンなんてないと思うし、求めるべきではないと思います。

足りないものを指摘して、批判のための批判するなんてしょうもないです。


今は多くの選択肢があって、そこから自分に合わせて好きなものを楽しめる。それがいいですね。


アオイホノオ 3 (少年サンデーコミックススペシャル)

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よつばと!  9 (電撃コミックス)

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